2011年03月20日

イチゴの素顔

今日は、「JAおやま」のイチゴ栽培施設の話に関連して、
イチゴの意外な素顔について説明したいと思います。

「JAおやま」の「とちおとめイチゴ」です。
イチゴ10ブログ P1160187.jpg

位置情報「イチゴの施設栽培で、何が一番大変ですか?」とお尋ねしたところ
返ってきたのは、「1番は苗作り」というお返事でした。
イチゴは、秋に苗の定植をすると、6月頃に親株から「ランナー」という
「つる」状のものが伸びてきます。「オリヅルラン」でおなじみのランナーです。
そのランナーにつく子株をとって育て、株を増やします。
一株から10〜20本のランナーが伸び、それぞれから数株採れるため、
農家にとって作りやすい、品質が安定する方法だそうです。
ランナーからとった子株は、温度や日照調整をして育苗されます。
元の苗は、ウイルスに強い「ウイルスフリー苗」が使われます。

位置情報イチゴは、1本の茎が枝分かれして房がどんどん出てきます。
その1房に15個くらいの花が咲いて実になるのだそうです。
下の写真は、1つの茎から出ている房の束。これから大きくなっていきます。
イチゴ08ブログ P1160002.jpg

こちらは収穫後。
イチゴ07ブログ P1160001.jpg

位置情報最初に開花したイチゴが一番大きく、順に小さくなっていきます。
イチゴの果実は、たれ下がるので、そのままでは地面に直接あたり、
その部分から腐ったり、泥がついたりすることがあります。
それを避けるため、マルチと言われるフィルムをしきます。
このマルチングも手作業です。 下の写真は敷かれたマルチ。
イチゴ06ブログ P1150999.jpg

位置情報ところで、イチゴの「果実(実)」と言っていますが、厳密に言うと、
私たちが食べている赤い部分は、「実」ではなく、「実」を支える
「子房」の部分で「花托(かたく)」と呼ばれます。 本当の「実」は、
赤い部分の表面にあるゴマのような粒で「そう果」とよばれます。 
一番上の写真をご覧頂くとわかりやすいと思います。
そしてそのゴマのような「そう果」の中に、黒い「種」が入っています。
この「そう果」から「種」を取り出してイチゴを育てることもできますが、
大変な作業です。 幸い、イチゴは「ランナー」に子株ができるので、
それを利用して、次世代の子供を増やすというわけですね。 なるほど。。

「JAおやま」さんのイチゴ栽培の話は、もう少し続きます。

被災地には支援が広がり、炊き出しなども行われているようですが、
まだまだ十分な援助が届かないところもたくさんあるようです。
少しでも早く栄養豊富な食べ物が被災地に届きますように。

2011年03月19日

イチゴとミツバチの話

今日は、先日に引続き、1月末に訪問した栃木野菜生産地報告第4弾、
「JAおやま」管内の「イチゴ」の施設栽培のお話です。

ちょうど収穫を終えられたばかりだったため、赤いイチゴの果実はあまり
ありませんでしたが、濃い緑の葉っぱと可憐な花のコントラストが素敵でした。
イチゴ03ブログ P1150996.jpg

「イチゴ」の品種は、100%「とちおとめ」です。
「JAおやま」のイチゴ栽培は、1作、13〜14ヶ月かかります。
3月に来期の苗作りをし、9月上・中旬に定植、11月から5月中旬まで
半年間収穫されます。そして6月にトラクターで耕運し、地面に水を張って
土をリフレッシュさせるのだそうです。
苗は暑さが苦手。 特に昨年の夏は暑かったため、日光の方へ
苗を持っていき、避暑させたそうです。

イチゴ04ブログ P1150997.jpg

「ミツバチ無くしてイチゴ無し」とJAおやまの方が仰っていましたが、
イチゴの栽培には、ミツバチが欠かせないそうです。
イチゴの花は1週間しか生きていない、その間にハチが受粉させないと
イチゴにならないのだそう。
花の間にある黄色いところをハチがグルグル回って上手に受粉をさせると、
そこ(花托・かたく)が肥大し、イチゴになります。
上と下の写真をご覧頂くと、ミツバチがグルグル回っている様子が
お分かり頂けるでしょうか?
下の写真の左側にある黄緑のイチゴは、ずいぶん大きくなった花托です。
ミツバチは、夢中で蜜を集めていました。
イチゴ05ブログ P1150998.jpg

イチゴのビニールハウスは、ミツバチが入っている分、気を遣うそうです。
ミツバチが飛び回るハウスで育てられるイチゴ、洗わずにパクパク
食べられるわけですね。(もちろん、気になる方は洗って下さい!)
こちらはミツバチの巣箱です。十分に蜜を吸うと、この中に戻っていきます。
イチゴ09ブログ P1160004.jpg

下は施設全体の写真です。 正面に上から下がっているのが温度センサー。
収穫時の温度は25〜28℃です。 設定温度に合わせ、
ビニールは自動的に開閉されるそうです。 かん水用のパイプや、
温度を下げるために地下水が通されたパイプもありました。
左手前に見えているのは、収穫用の台車です。 
イチゴ10ブログ P1160005.jpg

収穫は、日の出から10時ごろまで行われ、この台車が使われますが、
低いところで栽培されるイチゴの手摘み収穫は、腰が痛くなる大変な作業。
イチゴの施設栽培で、何が大変かお尋ねしたところ
1番は苗作り、そしてハウスに植える作業や、収穫というお返事でした。

生産者さんの愛情で、イチゴとミツバチが共に快適な環境の中で育てられて
いることを感じました。 イチゴの話は、もう少し続きます。

先ほど、東北・関東地方で、強い地震が有りました。
まだまだ余震も続いているようです。
皆さま、くれぐれも気をつけてお過ごし下さい。

2011年03月16日

JA小山)キュウリ視察レポ3

昨日に引続き、1月末に訪問した栃木野菜生産地報告、第3弾です。
今日は、「JAおやま」管内の「きゅうり」の栽培施設についてです。
先日「姫きゅうり」をご報告しましたので、写真はかなり似ています。
よく見ると、大きさなどが違いますので、違いを見つけてみてください。

位置情報こちらは、「JAおやま東部選果場」。箱詰めされたきゅうり。
きゅうりは寒さに弱く、13度以上が必要。ビニールで丁寧に覆われます。
1箱に、50本前後のきゅうりが入っています。
ビニールを開いて頂いているのは、「等級キュウリ」。
キュウリ04ブログ P1150983.jpg

位置情報キュウリの等級は、曲がりや傷でABCDに、大きさでLMSに分けられます。
スーパーや漬物用にはA級、八百屋さんにはC級が多いとか。
消費者の立場からすると、多少曲がっていてもいい気がしますが、曲がりにも
わけがあるそう。それについてはまた後述しますが、少しの曲がりで
味に問題がなければ、用途を変えて上手に使いたいものですね。

下の写真は、「共選」の箱を空けて頂いたところ。
「等級外のキュウリ」です。 そう言われれば少し曲がっているでしょうか?
キュウリ07ブログ P1150986.jpg

位置情報こちらは、キュウリの栽培施設。
冬場のキュウリ施設栽培は、11月初旬に種まき、下旬に定植、1月上旬から
6月上旬まで収穫されます。種まきから大体60日〜65日で収穫となります。
姫キュウリ同様、土壌殺菌、施肥を行い、年に2作行われます。
夏場の栽培は、7月中旬に始まり、9月上旬から11月上旬まで収穫されます。
夏は成長が早いので45日で収穫となります。
キュウリ02ブログ P1150990.jpg

位置情報きゅうりは自家受粉の植物ですが、夏秋キュウリは、品質を良くするため
ミツバチを使って受粉させている方が多いそう。

ひらめき前述の曲がる理由ですが、、、
「きゅうり」はおなかがすくと曲がったり、空洞ができることがあるそう。
「肥料」が必要となります。光を好むため「お天気」も必要です。
地温管理も大切だそう。ただ水をあげるだけでは実は太らないのだとか。
また、害虫や病気の対策もしっかりされているというお話でした。
キュウリ03ブログ P1150987.jpg

位置情報品種については、夏場は耐暑性があるもの、冬場はつやがあるもの、
どちらもきゅうりに多い「かっぱん病」に強いものを使われるそうです。
「かっぱん病」については「姫キュウリ」レポートでも触れましたが、
特にきゅうりに多い土壌伝染病で、丸く穴があいたり、ふちが黄色くなる病気。
夏秋きゅうりで発生すると、2〜3日で全てに被害が出てしまうそう。
病気にならないような工夫と徹底した管理が必要なのですね。

葉の美しく濃い緑色に、目が癒されるようでした。
キュウリ01ブログ P1150988.jpg

JA栃木の方へご連絡したところ、栃木自体も震災の被害を受けていますが、
被災地や東北・関東へ向けての食料の安定供給を目指し、生産地として
がんばっていらっしゃるそうです。

今日、天皇陛下のお言葉に胸を打たれました。
 >天皇陛下のお言葉は、「宮内庁のHP=こちら」 でご覧いただけます。
 >ソフトがあれば、ビデオを視聴することも可能だそうです。
被災されている方々にもお気持ちが伝わり、大変な状況にいらっしゃる
皆さまが、どうか希望を失わないで頂けますようお祈りいたします。

2011年03月15日

下野・小山)圃場視察レポ2

今日も引続き、1月末に訪問した栃木野菜生産地についてご報告いたします。
第4回目となる栃木野菜産地視察では、「JAしもつけ」と「JAおやま」管内の
「姫きゅうり」「きゅうり」「いちご」、3ヶ所の栽培施設を見学させて頂きました。

午前中は、先日掲載した「JAしもつけ」の「姫きゅうり」農家さんを視察。
先日掲載した「姫きゅうり」の生産者さんは、非常に大規模な施設をお持ちで、
「しもつけ(下野)」における、「姫きゅうり」栽培の仕組みを確立された方でした。
 >掲載記事はこちらです。 ⇒ 「JA下野)姫キュウリ視察レポ

他に、フルーツトマト、アスパラガス、米なども作っておられるということで、
隣接する「フルーツトマト」の施設も見せていただきました。
トマト02ブログ P1150975.jpg

ひらめき小ぶりのフルーツトマトです。
フルーツトマトとは高糖度トマトの総称で品種名ではありません。
水やりを控えることなどから、甘みや酸味の凝縮した美味しいトマトができます。
1個もいで食べさせて頂きましたが、非常に香りの良い、味の濃いトマトでした。
この時期の栃木では、「ニラは1番刈り、イチゴはわき芽が伸び、
トマトは3段目位で最盛期、だから畑はとても忙しい」ということでした。
トマト01ブログ P1150978.jpg

位置情報お昼は、「みそ家米ぞう」さんで食事を頂きました。
栃木マーケティング協会の認定店制度で「栃木農産物を食べさせる店」
という認定を受けているお店です。
ランチ01ブログ P1150978.jpg

店主の方のお話を伺うと、不規則な食生活でメタボだったサラリーマン時代を
反省し、ご飯と味噌汁の美味しい店をやりたいと、脱サラ後、開業されたそう。
野菜食と運動(毎日1〜1.5時間のウォーキング)で15キロの減量を果たし、
「食生活と運動の大事さ」を感じたそうです。
こだわっているのは、「地産地消」「栃木の畜産品」と「お頭つきの魚」。
栃木は海の無い県なので、魚の姿を知ってほしいという気持ちから、敢えて
魚にこだわり、日本全国の漁港から旬の魚を取寄せているということでした。
頂いたランチは種類も豊富で、ボリューム満点でした。

午後からは、「JAおやま」管内に場所を移し、「JAおやま東部選果場」
や、ほかの栽培施設を見学させていただきました。
また、ご報告いたします。

今日は数日ぶりに救助された方がいらっしゃいました。
被災地ではたくさんの方が救援に当たられていますが、どうか
2次災害に遭われることがないよう、心からお祈りいたします。

2011年03月13日

JA下野)姫キュウリ視察レポ

震災による心配な毎日が続いています。
ニュースから目や耳が離せない、大変つらい状況ですが、
今日は、「栃木野菜サポーター」としての活動・第4回目の、
栃木県南部、産地視察報告をさせて頂きます。

位置情報まずは、栃木県「JAしもつけ」管内、「姫きゅうり」の生産地です。
姫きゅうり」は、「普段スーパーでよく見かける」という野菜ではありませんが、
小さくて食感が良く、料亭やおすし屋さんなどで見かける可愛らしい野菜です。
見せていただいたのは、栃木県「JAしもつけ」管内の大規模な栽培施設です。
向こうの端が見えないほど、大きなビニールハウスでした。
姫キュウリ01ブログ P1150968.jpg

位置情報姫きゅうり」は、「きゅうり」の若採りではなく、小さい品種です。
未熟だから小さいのではなく、成熟期に採ってこの大きさ。
 >大きさにつきましては、こちらをご覧頂ければ、分かりやすいです。
だから、小さくても美味しいのだそうです。 
早速、もぎたてを食べさせて頂いたところ、いい味です。 美味しい!
新鮮なのでイボやトゲがピンとしています。 
普通のきゅうりよりトゲが細いのが「姫きゅうり」の特長です。
「姫きゅうり」は小さいため、収量(キロ数)が少ないですが、
パックに詰めてラップをし、付加価値を高めて販売されているそうです。

写真は、収穫まで後一歩の「姫きゅうり」、黄色い花が可憐です。
姫キュウリ03ブログ P1150970.jpg

位置情報姫きゅうり」の栽培は、12月上旬に定植し、2ヶ月目から収穫可能となり、
5月いっぱいまで収穫されます。
非常に生長の早い野菜なので、朝晩2回収穫します。 
あっという間に大きくなるので、1日休むと商品にならない、
だから実が生り始めたら、生産者さんは全く休めないのだそうです。
特に「姫きゅうり」は、その可愛らしさが魅力だからなおさらですね。

収穫を終わって1ヶ月、殺菌・施肥を行った後、また栽培を繰り返します。
JAしもつけ」「姫きゅうり」部会では、7名の生産者さんで調整しながら、
はざかい期を埋めて「周年栽培」されているそうです。
時期により収入は変わります。 たとえば冬場は重油代がかかる、そのため
部会で重油代を補い、不公平を無くし、うまく調整しているということですが、
7名という人数の少ない部会だからできることかもしれませんね。

位置情報日照の豊富な栃木県だからこそ有効な施設栽培、朝〜昼〜夜と、温度や
湿度を調整し病気を防ぎ、成長や収穫に必要な条件を管理していきます。
ハウスを開閉して換気をすることも必要です。
このように、つるを上に伸ばし、それを上から自然に下げる仕立て方で
無理のない疲弊の少ない栽培や、さまざまな工夫をなさっています。
姫キュウリ02ブログ P1150969.jpg

位置情報姫きゅうり」の代表的な病気の1つ「かっぱん病」は、土壌伝染病。
体に付いたまま触れると移ってしまうため、通路は広く確保されています。
昔多かった「温室粉じらみ」や、うどん粉病、ベト病も、今は少ないそう。
「黄色あざみうま」という、葉が黄色くなる病気にかかると、収量が減るそうです。
病気には、徹底した管理と株が弱らないような努力が必要です。

きゅうりの連作障害は、かぼちゃの台木を使うことで解消しています。
姫キュウリ05ブログ P1150974.jpg

管理の行き届いた美しく清潔な栽培施設でした。
「JAしもつけ」生産者の皆さま、どうもありがとうございました。

これからも美味しい「姫きゅうり」を栽培して頂けますように。


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