アンズセミナー報告に、少し補足をさせて頂きます。
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日本の代表的なアンズの産地と言えば、「長野県」と「青森県」です。
生産量では「青森県」が1位、ウメの代替品としての用途が多いそうです。
栽培面積1位は「長野県」です。 長野の半分を占める「JAちくま」は、
加工用の主要6品種を育成し、15年程前から生食用も研究されているそうです。
一面に花が咲きほこるアンズ畑は、さぞ美しく甘い香りなのでしょう


写真は、展示品種の中から、とってもアンズらしいと思った「山形3号」

病気に強く豊産性の「日本のアンズ」と、酸味の少ない海外の「導入品種」を
掛け合わせ、甘みが多く酸味が少ない、病気に強いという特長を持った品種
として育成されました。
また収量面では、「自家結実性(=その木だけで実ができる)」のため、
1本の木からとれる実の量が多いのも特長です。
食味も外観も良く、収量も多い「期待の星」というわけです


その1つは、アンズは、「収穫適期」が短いことが挙げられます。
「未熟」だと酸が多く、「過熟」だと柔らかく食感が悪いのです。
その上「日持ちの悪さ」も課題。
保存中にすぐにやわらかくなるため、長期保存がきかないのです。
例えば、置いているうちに軟らかくなって食べごろを迎えるメロンや、
ある程度冷蔵保存されることで酸が抜けて美味しくなるかんきつ類と比べると
流通の難しさが、ご想像頂けるかと思います

そういう性質もあり、生の美味しいアンズを食べたことのある人が多くない、
というのも消費に向けての問題点だそうです。
まずは生のアンズを知ってもらうこと、そして、アンズでなくては!という
意識を持ってもらえることが、生食アンズの地位確立に必要です。
せっかく育種した貴重な品種を消えさせないためには、
流通、消費現場での工夫が、必要なのだと感じました。
育種の道は、長くて大変です。
そして、その根気強い研究のお陰で、美味しい果物に出会えるのですね


育種の専門家のお話や、流通・販売当事者の方々のご意見を伺う機会は、
なかなかありません。 貴重な機会を与えて頂き、感謝いたします。
セミナーを主催される「果樹研究所」のホームページは、こちらです。
いつの日か、美味しいフレッシュなアンズを、
気軽にたくさん食べられる日が来ますように

> このテーマの最新記事は、こちらです。
> 2010年07月19日 果樹研リンクと果物の話
> 2010年07月12日 アンズセミナー報告(2)
> 2010年07月11日 アンズセミナー報告(1)
私はいまだに生のアンズに出会えたことがないのでいつか巡り会えたら食べてみたいです。
ジュース用に干しアンズを探していますが、干しただけのアンズとやわらかく仕上げた干しアンズなど色々あって悩み中です。
生のアンズには、なかなか出会えませんね。来年は食べられると良いですね。
よるさんのアンズジュース美味しそう。ぜひどちらも作ってみてください!